\記事を読まずに理解(再生時間:約8分30秒)/
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レーザー脱毛で毛が抜ける原理(3ステップ)
まずはざっくりと原理を説明すると以下の順序となります。
- 毛の標的部位にレーザー光を照射。
- 標的部位がレーザー光の熱エネルギーで温度上昇。
- 標的部位が熱損傷を起こす。
標的部位とは以下の3か所となります。
<レーザー脱毛の標的部位>
(右図〇箇所) |
これらの部位をレーザー光により選択的な熱破壊を起こすことで、組織を破壊し、毛の再生が起きないようにします。
ここで大事なのは毛を破壊するのではなく、毛の周りの標的部位つまり毛の組織を破壊するということです。
先に説明した通り、レーザー光はメラニンに反応します。
メラニンが濃い部位にレーザー光の熱が集まります。
熱が集まった箇所は熱破壊を起こして、再生機能がや栄養を与える機能を喪失するので、生えてこなくなります。
理論的には永久脱毛は一回で終わるってこと?
結論を先に言うと、終わりません。複数回の照射が必要となります。
その理由は次の2つとなります。
- 皮膚に出ている体毛は約28%で一度に100%照射できないから。
- 毛穴ごとに毛周期を持っていて成長期にしか効果がないから。
これらの理由から複数回の照射が必要になり、体毛が濃い方では約10回程度を2年程度の照射が必要各々について解説していきましょう
理由1:皮膚に出ている体毛は約28%で一度に100%照射できないから。
ヒトの皮膚には約500万本はえていて、そのうち皮膚から出てきている体毛は約140万本と言われています。
- 皮膚から出ている体毛の数:約140万本(約28%)
- 皮膚から出ていない体毛の数:約360万本(約72%)
(ソースは「https://www.fnn.jp/articles/-/10057」の調査結果です。)
つまり、1度の施術では、約140万本(約28%)にしか照射することができません。
賢い方ならここで次のような疑問が浮かぶと思います。
「1回で約28%なら4回で100%超えるじゃん?じゃあ全4回で良くない?」
鋭い質問です。
これは、「毛周期が毛穴ごとに違う」ことによって、永久脱毛が4回で終わらないということにつながります。
理由2:毛穴ごとに毛周期を持っていて成長期にしか効果がないから。
約140万本の皮膚から出ている毛は、すべて毛周期が異なります。
考えてみると当たり前かもしれません。
でも、なぜ毛周期が関係あるのか?
レーザー光照射で脱毛効果が得られるのは毛周期の中でも成長期のみだからです。
成長期とは、ざっくり言うと標的部と毛がくっついている状態のことです。
以下の画像を見ると理解しやすいです。
毛は生えてから抜けるまでに大きく3つの期間を迎えます。
- 成長期(初期含む)
- 退行期
- 休止期
上の画像の通り、標的組織(毛球部、バルジ領域、皮脂腺)と黒い毛がくっついています。
くっついていることで、レーザー光がメラニンに反応し、熱が伝達し熱破壊できるのです。
各部位ごとの「成長期」の期間は以下だといわれています。
言い換えるなら、生え始めから毛球部を離れるまでの期間です。
部位 | 成長期の期間 |
---|---|
あごヒゲ | 48週間 |
鼻下 | 16週間 |
ワキ | 16週間 |
VIO | 16週間 |
腕 | 13週間 |
脚 | 16週間 |
(引用元:Fuchs M. Thermokinetic selectivity-a new highly effective method for permanent hair removal:experience with the LPIR alexandrite laser. Derm Prakt Dermato1.1997;5:1-7.より改変)
つまり、脱毛時には休止期だった毛が生え始める期間が上記の半分だとすると、7~8週間程度かかります。
そのため、約2ヶ月の期間を開ける必要があります。
ということで、改めて以下にレーザー光で抜ける理由を書いておきます。
- 皮膚に出ている体毛は約28%で一度に100%照射できないから。
- 毛穴ごとに毛周期を持っていて成長期にしか効果がないから。
そして、脱毛時には休止期だった毛が生え始める期間が上記の半分だとすると、7~8週間程度かかります。
そのため、皮膚から出ている毛を全て成長期で照射する必要がある、複数回の照射が必要ということです。